活動の概要と目的

カンボジアにおいて農業は最も重要な部門であり、特に乾季農業の再興が強く求められている。カンボジア王立農業大学(RUA)では、これまでため池を活用した乾季農業技術について研究開発が行われ、学内で実証が進んでいるものの、その有効性・実効性を地域で検証することが困難であった。このため、これまでRUAにおいて蓄積されたため池の整備やその水を利用した乾季農業に関する知見を基に、ため池を活用した乾季農業の実証モデルを形成し地域で実証することにより、その有効性を確認し、乾季農業の再興に結びつける必要がある。
一方、地域において高校は公的な場所で、父兄を含め多くの人がかかわりを持っており、地域の拠点として機能できる可能性を有している。また、多くの場合、校内に圃場が整備されており、雨季の稲作を中心とした栽培活動が職能訓練の一環として実施されている。そこでプノンペン近傍の3つの州内の3高校を拠点として、実証モデルに基づく作物栽培を行い、ため池を活用した乾季農業の有効性を実証するとともに、周辺住民に展示する。
このため王立農業大学においてため池を活用した乾季農業の実証モデルが形成され、対象の3高校においてため池を活用した乾季農業が実践・展示されることを目的として、この活動を実施する。事業活動は、以下に示す近畿大学農学部、カンボジアおう立農業大学(RUA)および関係3高校の協力により実施する。

活動の概要と目的